YOHJI YAMAMOTO POUR HOMME 2027 SPRING / SUMMER COLLECTION 衣服という物理的現実を巡る創造的な旅

衣服という物理的な現実を通じて創造的な道を切り拓くことは、自らの表現を形作り、 時代を反映しつつ、 服飾の歴史に思いを馳せる服を構想するための適切な手法であるかもしれない。Yohji Yamamoto POUR HOMME 2027 S/Sコレクションは、こうしたシンプルでありながら根本的な主張から導き出された結論を示している。したがって、これは紛れもなく技法に関する教訓である。

肩のデザインは、即座に本コレクションにおける主要な表現領域の一つとして浮かび上がる。どの作品も肩の構造を研究する手法を示しており、衣服ひとつひとつが表現する仕草を、歴史と職人技の中に刻み込んでいる。時には、肩の構造が強く際立ち、またある時には、明確な存在感を保ち続けながら、衣服全体との関係性の中で独自の空間を切り開いている。

仕立ては、ヨウジヤマモトにおいて極めて重要な要素である。本コレクションでは、中世への関心が肩の構造や、「鎖帷子」 を模したニットウェアのデザインに表れている。このネオ中世的なモチーフと脱構築的な衣服が融合し、身を守るため、そして世界へと踏み出すために身に着けるニットの「鎖帷子」 が誕生した。 レースもまた、この時代と19世紀におけるその復興を彷彿とさせる。

本コレクションには、衣服の建築を考察したパターンがまとめられている。その建築は、より緩やかなものとなりながらも、全体としてまとまりを保っている。それは、衣服が単なる鎧ではなく、実際には身体を抱きしめ、自由を与える、より緩やかな構造であることを示している。衣服のフォルムは、極めて緻密に構築されていると同時に、解放されている。肩の構造であれボタンであれ、衣服の一片を構成する各要素は、衣服のあり方を再構築するための道筋を切り開いている。袖は絶えず再構築の対象となっている。ジャケット、カーディガン、シャツ、ゆったりとした服は、その言語全体への貢献を体現している。

Yohji Yamamoto POUR HOMME 2027 S/S コレクションは、一つの完全なワードローブを構築している。それは、歴史を否定することなく、今という時代に存在し、自由であり続けるものである。

ある衣服には、「デペイズマン、起源の記憶、岸辺への郷愁」というメッセージが記されている。自らのルーツに留まりつつ、まだ見つけられていない、そしてこれからたどり着くであろう岸辺への郷愁を抱くこと―それこそが、ヨウジヤマモトの作品の鍵である。衣服が持つさまざまな時代を融合させることは、衣服を、時間を超越した存在とし、それゆえに、それを身にまとう一人ひとりの人生において、衣服を完全に 「今」に存在させる方法なのである。

山本耀司の歌声が流れる中、 モデル達が軽やかにランウェイを進む。
私たちを衣服という物理的現実を巡る創造的な旅へ誘うコレクション。

YOHJI YAMAMOTO POUR HOMME 2027 SPRING / SUMMER COLLECTION