山口一郎インタビュー|新しい環境の「音」を聴くwith SHOKZ OpenFit Pro

オープンイヤー型イヤホンの草分けとして知られるエレクトロニクス・ブランドShokz。
山口一郎が同社のイヤホンを愛用していたこともあり、2026年2月25日、山口のブランドアンバサダー就任が発表された。Shokzの新機種「OpenFit Pro」を試聴しながら、新しい習慣の一つとして「音」への接し方の変化を語る

PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: INO SHIN

Shokzとの出会い

—— 一郎さんはブランドアンバサダーになる以前からShokzを使用されていたそうですね。ファーストコンタクトの印象はいかがでしたか。

山口 僕は音楽を仕事にしているので、モニタリング用ヘッドホンやリファレンス用スピーカーは定まっていて、制作する際はこれというものが決まっています。ただ、日常的に使うイヤホンはなかなかしっくりくるものに出会っていなくて、いつも探していました。イヤホンって結構耳を圧迫するし、自分の耳のサイズに合わないということであまり使っていなかったんです。僕、耳の穴が大きくて、ライブの時に使うイヤモニも耳の型を取って特注してみたりしたのですが、やはりすぐ落ちてしまうんです。

そんな時に、当時ウェアラブルスピーカーといって肩にかけるタイプのものが出てきて、これは面白い発想だなと思って、ライブに応用してみようと考えたこともあります。お客さんにウェアラブルスピーカーをかけてもらって、曲間などに音を出して、生の音と混ぜる形にしたら新しい体験になるだろうし、自分のイヤホンの問題も解決できるかもしれないと思って、いろんな機種を試しに使ってみたのですが、やっぱり後ろに落ちてしまうし、音漏れもする。ライブで使うことはできるかもしれないけれど、自分で使うにはちょっと現実的じゃないなと。

そうこうしているうちに、いろんなメーカーがオープンイヤー型イヤホンを作り始めた中でも、Shokzはかなり早かったと思います。それで早速購入してみました。自分の音楽制作に使うことはできないけれど、日常的にながら聴きするにはちょうどいい。落とす心配もないし、マスクや眼鏡をしたりしても全然違和感なくつけていられる。これは新しい感覚のイヤホンだなと思いました。

実はその後、他のメーカーのオープンイヤー型イヤホンもいろいろ試したんです。多分、世に出ているオープンイヤーはほぼ全部試したかもしれない(笑)。でも結局Shokzが一番よかったです。他の機種だと接続が弱かったり干渉があったりストレスがあったりして。Shokzはとにかくすぐ繋がるんですよね。

「ながら聴き」を快適に

—— 普段どのようなシーンで使用していますか。

山口 買い物に行く時や自宅でパソコンに向き合っている時もずっと付けていられるし、あまり推奨はされていないですけれど、お風呂に入る時にそのまま付けたりもします。うつ病になってベッドから動けないような状態だった時も、Shokzはストレスなく付けていられたし、付けたまま眠れるし。その期間本が読めなくなってしまったので、オーディオブックで朗読を長時間聴くこともよくしていました。それも自然に聴いていられるので助かりましたね。今では自分の日常から切り離せないものになりました。

—— 普通、イヤホンは一日中付けているとやはり耳が疲れますよね。

山口 全然疲れないですよ。付けていることも忘れる時があります。最近は家事をする時にイヤホンを付けて、怖い話を聴くのが好きです(笑)。

—— ポッドキャストやオーディオブックなど音楽以外の「聴く」コンテンツも増えている現在、オープンイヤー型イヤホンはいろんなニーズに応えるプロダクトなんですね。 山口 街を歩いて外部の音を聴きながら音楽やいろんなコンテンツを楽しむこともできますよね。自分の世界に閉じこもりたい時と、外部と繋がっていながらコンテンツを楽しみたい時があるじゃないですか。そこを使い分けられるのがすごくいいなと思います。通話マイクの性能も上がってきて、最近の機器だと通話の音声も向上しているので、コンテンツを楽しんでいるところに電話がかかってきても、ストレスなく電話で話して、終わったらまたコンテンツに戻るという流れがシームレスになっていると感じます。

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[SHOKZ OpenFit 2+]CM撮影

フォーカスモードへの期待感

—— Shokzの新機種「OpenFit Pro」を試聴していただきましたが、これまでのプロダクトとの違いは感じましたか。

山口 一番注目しているのは、フォーカスモードです。

—— 周囲の不要なノイズをインテリジェントアルゴリズムがリアルタイムで抑え、音量を上げなくてもクリアなサウンドを保つ機能ですね。

山口 オープンイヤーにノイズキャンセリング的な機能を持たせるって、一見矛盾しているように思いますが、例えば僕はツアーなどで飛行機や新幹線の移動が多かったり、あるいは街の雑踏など、ざらつきが多いところで使用する時に、自分が聴きたい音が聴き取れなくなることもあったんです。でもそこで音量を上げていくと音漏れするんじゃないかと心配になったりしていたので、そこが改善されるのは大きな進化だと思うし、今後使っていく中でフォーカスモードがどんな体験なのか、楽しみですね。その意味では自分が求めていた機能が一つ付加されたことがまず大きなポイントかなと思います。

—— 「Dolby Atmos」に最適化されたチューニングという点は?

山口 音楽だけでなく、移動中に映画をスマートフォンで鑑賞したりする際にも使用感を確かめてみたくなりますよね。今、試聴して感じたのは音質の向上です。個人的にオープンイヤーのネックになっている低音部の表現力がどう進化していくのかは気になっているところなので、その部分がだんだん進化することは歓迎しています。

アンバサダーの視点から

—— 今回、Shokzのブランドアンバサダーに就任されて、ご自身が出演するCMも公開されました。一郎さんはこのCM撮影についてはどのような感想を持ちましたか。

山口 まず一つは、実際に自分が使ってきた商品だということですね。通常のタイアップって、ライフワークではなくてライスワークであることが多いイメージですが、僕の中ではそれ以前から自分が使用していたプロダクトの広告に携われるのはとても自然なことだなと思っています。今回のCMをディレクションしている森義仁監督は初期サカナクションのMV(「三日月サンセット」「ナイトフィッシングイズグッド」)を手がけていたので、久しぶりにまた出会えたというストーリーもありました。撮影も自分的にはすごく楽しかったし、嬉しかったですね。ここ最近、サカナクションは田中裕介監督にMVはじめさまざまなクリエイティブをお願いしていますが、今回いつもと違うチームで作れたことも面白かったです。新鮮でしたね。

—— 数量限定ですでに即完売してしまいましたが、「Shokz OpenFit 2+」の山口一郎コラボレーションモデルも今年3月に発売されました。

山口 自分が使用しているプロダクトを自分が好きなデザイナーの平林奈緒美さんにデザインしてもらって自分が使えるのは、ユーザーとして至福じゃないですか。それが実現できたことがすごく嬉しかったですね。「OpenFit 2+」は一番スタンダードなモデルで使い勝手もいいモデルなので、これでスタートを切れたのは有り難かったし、このモデルを使ってくれた人達がさらに他のモデルも試してみたいと思ってもらえるきっかけになったらいいなと思います。

僕らのリスナーはライブでいい音を聴くとか、体験としての音楽をサカナクションに期待してくれる方が多いのですが、その中でもちゃんとShokzの利便性やオープンイヤーの性質や使い方を理解した上で購入してくれた人が多かった感触があったのは、プロモーションとして一つ成功したなと思いました。

—— ブランドアンバサダーということで、今後も継続的にShokzに関わるモチベーションはありますか。

山口 プロダクトの機能性や音質についてアドバイスするようなことは今後もないと思いますが、デザイン的な部分でオプションとしてアクセサリー的に使えるものは今後提案していきたいと思いますし、また新しいモデルが出る時にコラボする機会をいただけるなら、トライしてみたいですね。

オープンイヤーの新領域

OpenFit Pro はShokzとして初めてフォーカスモードを搭載した、次世代のオープンイヤー型イヤホン。新機能のフォーカスモードは、Shokz独自のオープンイヤーデザインに先進的なノイズ抑制技術を融合。周囲が騒がしい環境でも音楽をクリアに楽しめ、同時に周囲の気配も感じながらリスニングできる新しい体験を実現する。また、進化した Shokz OpenBass™ 2.0 が深みと厚みのある低音を正確に再現。最新の DirectPitch™ 3.0 によって進化したワイドバンド音漏れ抑制技術が、周囲への音漏れを最小限に抑える。最適な位置に配置されたノイズリダクションリング付き高プロファイルマイクが耳道付近での音を正確に捉え、より精度の高いノイズリダクションを実現、聞き取りやすい音声通話を可能にするなど、多彩な特長を備えたモデルとなっている。

SHOKZ OpenFit Pro
4月に新登場したハイエンドモデル。ホワイトとブラックの2色展開。Shokzアプリと連携することで、フォーカスモードや「Dolby Atmos」対応が楽しめるほか、自分好みの音を細かいところまで調整することも可能に。 https://jp.shokz.com