OKAMOTO REIJI with JINTAN

OKAMOTO’Sのドラマーとして活動しながら、様々な分野でもソロ活動を展開するオカモトレイジが大切にしているスタンスとは
 
OKAMOTO REIJI with JINTAN

PHOTOGRAPHY: SHIMAMURA KISSHOMARU
STYLING: KANDA MOMOMI
HAIR & MAKE UP: YOSHIDA TARO
TEXT: ITAKO JUNICHIRO

 

INTERVIEW 
オカモトレイジ(OKAMOTO’S)
体験から始まる

楽しいからやっているだけ

中学からの同級生4人で結成されたロックバンド・OKAMOTO’Sは今年、デビュー15周年を迎えた。ドラマーのオカモトレイジはこの節目をどのように捉えているのだろうか。

「バンドを続けていくことを意識していたわけじゃないけど、でも終わる気は全然していなかったです。続けていると想像すらしなかったことがたくさん起きて、そうした経験ができたことは面白かったし、続けていればいいこともあるんだなって。でも音楽に対するモチベーションは何も変わらないと思います。やっぱりこの4人でバンドをやること、ドラムを叩くことがただただ楽しい」

メンバーチェンジもなく、長い期間に渡って活動を休止することもなく常に動き続けてきたOKAMOTO’Sは、音楽シーンを見渡してみても稀有な存在だ。

「デビュー当時に考えていたのが、60年代のビートルズやローリング・ストーンズのようにどんどん曲を作りライブをやるってことだったので、それが土台になってしまうとのんびりバンドをやっていくのは難しい(笑)。人それぞれの考え方があるから良い/悪いはないんだけど、アルバムを出してツアーに出るとなったら、俺らは少なくとも20本ぐらいはやりたい。東名阪でそこそこ大きな箱を押さえて3本だけライブをするよりも、何十本とツアーを組んで一つのショーを磨き上げながらバンドとして上手くなっていく方が俺は好きだし、面白いなと思う。ゲーセンで『太鼓の達人』を延々やってフルコンボ出しまくる人とかいるじゃないですか。それと感覚は一緒だと思います。楽しいからやっているだけだし、やれるならやれるだけやりたい」

バンドでの活動と並行して、彼はDJとして様々なイベントやパーティーに出演している。さらに「YAGI」というプロジェクトを立ち上げ、クラブイベントやエキシビションをオーガナイズしながらアパレルや映像作品の制作も手掛けるなど、自らが媒介となり様々なカルチャーの人とモノを繋げる活動も行なっている。

「基本的にソロでの活動はバンドに何かしらをフィードバックする意識でやっています。外から見たら、俺は好きなことを自由にやっているように見えているかもしれないけど、実は興味がないことや全然知識がない分野に敢えて足を踏み入れているところがあって。今度アニメの声優をやるんですけど、自分は普段アニメを観ないし、漫画も読まない。でもありがたいことに声をかけていただいて。それでその世界に飛び込んでみたら好きになってハマるかもしれないし、素敵な出来事が待っているかもしれない。そんなふうにとりあえず飛び込んでみるという精神を大事にしています」
 

知っているものの再発見

OKAMOTO REIJI with JINTAN オカモトレイジは「興味がないものに興味がある」と言う。そんな彼に、今年シリーズ誕生120周年を迎えた口中清涼剤「仁丹」に対してどんな印象を持っているのかを訊いてみた。

「おじいちゃんの家に置いてあった記憶があります。パッケージのビジュアルも強いですし、一粒口にしたら香りも味も忘れられない。今日久しぶりに試したけど、“ああ、これこれ”って感じで懐かしくもあり、でも新鮮さも感じました」

様々な医薬品を開発してきた森下仁丹が作り出した仁丹は長年昭和を代表する口中清涼剤として認知されてきたが、ここ数年で若い世代からも徐々に注目されるようになってきたという。

「自分の生活の中には普段ないんだけど、でもその存在は知っているというのかな。だからこそあらためて手に取ってみると、パッケージデザインやこの銀色の粒の感じに興味をそそられますよね」

「YAGIと仁丹でコラボしたら面白いかも」と言いながら、レイジは続ける。

「今の世の中はネットやSNSがあるから何でも見ることができるじゃないですか。そのせいで尖ったものとか凝った表現ももはや飽きられているように感じていて。だから逆に、普通のことを普通にやることが今は効果があるような気がするんです。仁丹だったら、なんとなく存在は知っているけど口にしたことはない人が大勢いると思うので、例えば映画館とかイベントで直接いろんな人に配って味わってもらえたら今以上に注目されるようになると思う。それに“よくあるタブレットじゃなくて敢えて仁丹を持ってる”というのはファッション的にもちょっと面白いかもしれない。自分のソロ活動の話にも少し繋がりますけど、やっぱりなんでも体験するってことがシンプルだけど大事なことだと俺は思います」

OKAMOTO REIJI with JINTAN
オカモトレイジ オカモトショウ、オカモトコウキ、ハマ・オカモトと共に2010年にデビューし、今年15周年を迎えた。現在、「OKAMOTO’S LIVE TOUR 2025-2026 4EVER」を開催中

[衣装] キャップ/ALA TIANAN(RCv:rou@omotoind.jp)、Tシャツ/mu(ムー:050-1529-4690)、パンツ/TSTS(ティーエスティーエス:info@tstststs.com)、シューズ/OAKLEY(ヌビアン原宿:03-6447-0207)、その他スタイリスト私物

JINTAN’S 120 YEARS STORY
いつの時代も私たちの暮らしのそばに

今年、シリーズ発売120周年を迎えた「仁丹®」
小さな銀の粒に込められた歴史と、今も変わらぬ魅力に迫る
 
JINTAN’S 120 YEARS STORY

TEXT: KOBAYASHI SARIE

 
エチケットに対する意識がますます高まっている近年では、例えば“ミントタブレット”のようなアイテムを携帯するのが日常的な習慣となっている人も多いだろう。そんなエチケットアイテムの日本におけるパイオニアともいえる仁丹。今年シリーズ発売120周年を迎え、ロングセラーの仁丹はどのような歴史を歩んできたのだろうか。

1905年、当時日本の医療環境は十分に整っておらず、風邪や食中毒で命を落とす人も少なくなかった。森下仁丹株式会社の創業者である森下博は、そうした時代の中で医療薬の需要の高まりを感じると、「携帯、保存が簡単にでき、万病に効果のある薬を作りたい」という思いを抱く。そんな志から仁丹(赤大粒)が開発された。当初は人々の健康をサポートする総合健康薬として販売されていたものの、1929年には銀の粒仁丹へと進化を遂げる。16種類の生薬を小さな丸型に成形し、保存・携帯性を高めるために銀箔でコーティングした仁丹は、口臭予防に効果のある医薬部外品の“口中清涼剤”として売り出されるようになった。当時の新聞広告には、“まず仁丹をおふくみください!”というキャッチフレーズと印象的なビジュアルで、イベントや社交の場でいかに仁丹が役立つかということが描かれている。また仁丹が広く浸透した背景には持ち運びに便利な「仁丹ケース」の存在も大きい。ポップなデザインからシックな色合いのものまで多彩なラインナップを展開、トレンドを取り入れたデザインとコレクションしたくなるサイズ感が人々の心を掴み、日常生活に浸透していった。

そんな仁丹は今やエチケットアイテムとしての枠を超え、日常生活の様々なシーンで活躍する。仕事や勉強で集中したい時、家事や育児の合間でのリフレッシュやドライブ中での休憩など、気分を切り替えたいタイミングでの使用がおすすめ。ガリッと噛めば桂皮(シナモン)、丁字(クローブ)などのボタニカルな香りが口いっぱいに広がり、スッキリした感覚をもたらしてくれる。

時代に寄り添いながら、私たちの暮らしに溶け込む仁丹。120年の歳月を重ねた今もなお、唯一無二の存在感を放ち続けている。

CASE|携帯に便利な仁丹ケース

これまでに誕生した仁丹ケースから、8種類をピックアップ。そのデザインの多様さと遊び心に触れる

CASE|携帯に便利な仁丹ケース
01. 円盤ケース(1957年) 02. プッシュケース(1972年) 03. スライドケース(1975年) 04. ワンタッチケース(1977年)
CASE|携帯に便利な仁丹ケース
05. 純銀ケース 角型(1983年) 06. ゴルフケース(1991年) 07. グリーン仁丹ショットケース(年代不明) 08. メタルケース(1989年/現行モデル)

ADVERTISEMENT|時代を映した仁丹広告

国内にとどまらず、海外での人気も高かった仁丹は、キャッチーなフレーズと目を引くデザインで、人々の心を惹きつける広告戦略を行った

1964年頃に掲載された仁丹の新聞広告
1964年頃に掲載された仁丹の新聞広告
 
新しいパッケージの発売に関する海外用のチラシ
新しいパッケージの発売に関する海外用のチラシ

※広告の内容については現行製品のものではなく、森下仁丹の歴史に基づいて掲載しています

 
●販売名:仁丹N 全国のドラッグストアや薬局、オンラインショップで購入可能。商品の詳細は、森下仁丹公式サイトにて。

※「仁丹」は森下仁丹(株)の登録商標です