RAINMAKERが京都初のランウェイを開催──光と闇が交錯する東西の美学

京都を拠点とするファッションブランド「RAINMAKER」が、地元・京都では初となるランウェイショーを開催した。

今期のテーマは「陰翳礼讃 × Caravaggio」で、近代日本を代表する文学者・谷崎潤一郎とバロック絵画の巨匠・カラヴァッジョという異なる文化圏の2人に通底する「光そのものではなく、光と闇が交錯する場所にこそ美が宿る」という理念を軸に、東西の感性を交錯させたコレクションとなっている。

谷崎は著書『陰翳礼讃』において障子に透ける柔らかな光や、漆器に映るかすかな光彩、金屏風に沈む鈍い輝きといった、間接的で抑制された光に美を見出し、闇の深みがあるからこそ光が浮かび上がる静謐で内省的な日本独自の感性を見出した。一方カラヴァッジョは光を「真実の露呈」として扱い、劇的な明暗の対比によって人間の内面や神の啓示を描き、闇を光を際立たせる舞台とした動的で劇的な表現を特徴としている。

251208N_0347_c_4x5
251208N_0046_c_4x5
251208N_0358_c_4x5
251208N_0373_c_4x5
251208N_0729_c_4x5
251208N_0862_c_4x5
251208N_1098_c_4x5
251208N_1428_c_4x5
251208N_1394_c_4x5
251208N_1446_c_4x5
251208N_1876_c_4x5
251209N2_0013_c_4x5
previous arrow
next arrow

今回発表された2026年秋冬コレクションでは、黒を基調に白、深緑、茶、グレーを配したカラーパレットで和室の暗がりや障子の光、苔や木材・石の質感、漆器の反射など自然と建築に宿る陰翳を映し出し、紫を加えることでカラヴァッジョの劇的な色彩と京都を象徴する色彩を融合させた。

素材選びでは、光を反射するサテンやレザーと、光を吸収するウールやモールスキン、メルトンを対比させ、「光の反射」と「闇の吸収」を表現。透過性のある布地は障子越しの柔らかな光の陰影を衣服に落とし込んでいる。さらに造形においては、プリーツやタックによる深い影や、透過布の重ねによる「奥行きの影」を生み出し、直線裁ちの静けさとバロック衣装に通じる豊かなドレープを対比させることで「静」と「動」、「内」と「外」の共生を追求した。

その他にもバロック期の洋装と和装の要素や建築的なデザインなどを随所に取り入れ、陰影の美学と東西文化の交差を鮮やかに表現した本コレクション。光と闇の微妙な対話を通して、新たな美の感覚を提示する象徴的な舞台となった。

RAINMAKER:https://rainmaker-kyoto.com/