村上春樹の短篇小説を漫画(バンドデシネ)でお届けするシリーズ『HARUKI MURAKAMI 9 STORIES』の第7巻「七番目の男」が、3月20日に発売となりました。高校の国語教材にも採用された村上春樹の傑作がついに漫画化。フランスの気鋭アーティストによって、シリーズ前作から半年以上の時間をかけて描かれた渾身の一作です。
人生を変えてしまったトラウマとあなたはどう向き合うか—— 。
1996年に書かれた原作でありながらも、現在の我々に改めて語りかける、喪失と回復の物語。
少年時代に台風による大波で、目の前で親友を失った“七番目の男“は、長い間そのトラウマから逃れられずにいた。40年の歳月を経て、彼は幼かった親友が描いた一束の絵と再会し—— 。
村上春樹の短篇小説集『レキシントンの幽霊』に収録された原作「七番目の男」が書かれてから、今年で24年が経つ。私たちそれぞれが抱えるトラウマや恐怖心のメタファーとして「波」が描かれている本作は、2011年の大震災・津波を経験した“今”の私たちに、恐怖に立ち向かう姿勢やその克服について改めて語りかけてくれる物語です。
アングレーム国際漫画祭にも出展する実力派作家による漫画化!
本作をバンドデシネとして生まれ変わらせたのが、2名のフランス人アーティスト、Jcドゥヴニ(翻案)とPMGL(漫画)。2020年2月に開催されたアングレーム国際漫画祭では、スペインのアーティストとコラボレーションした作品を出展するなど、国際的に活躍する実力派。小津安二郎や宮崎駿といった日本人アーティストからもインスピレーションを得た、繊細な色鉛筆や水彩画のタッチが特徴の、まったく新しい村上春樹ワールドです。