LIVE REPORT
KEEN FESTIVAL TV LIVE!


音楽、そしてフェスを愛するブランド「KEEN」がUAを迎えて開催した。スペシャルなライブは、夏フェスシーズンの始まりを高らかに宣言した。

PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: SWITCH

 

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5月にして最高気温が30度以上を記録した東京の街からは、夏がやってきたかのような高揚感が感じられた。そんな日に渋谷のライブハウス「WWW X」にはアウトドア・フットウェアブランド、KEENのシューズを履いたオーディエンスが集まり、ビールで仲間と乾杯を交わしながらライブの開始を待ちわびていた。

この日開催されたのは2020年4月からスタートしたKEEN公式YouTubeチャンネルの音楽コンテンツである「Festival TV on KEENSTREAM」(以下、Festival TV)のリアルイベント「Festival TV Live!」。ドレスコードは“KEENのシューズを履いてくること”のみで、先着400名のオーディエンスを招いてUAのフリーライブが行われることになっていた。

19時半、開演時間になりステージに現れたのは「Festival TV」のMCを務めているジョージ・ウィリアムズ。声を上げるオーディエンスたちを愛おしげに眺めながら、ジョージは言う。「ここに立ってみなさんの声が聞けて嬉しい! だってずっと声出しがダメな時期が続いていたから。でもそれももう終わりです!」。5月から新型コロナウイルスが感染症法の五類に位置付けられたことで、私たちの生活はパンデミック以前と近い状態に戻った。それに応じて、ライブやフェスといった場での声出しも解禁され、今年は全国でかつてのように数多くのフェスが開催されることになる。この日のライブはフジロックに毎年協賛し、ブースも出展しているKEENにとっても念願のライブだった。

ステージ上でUAとジョージが久しぶりの再会を喜び合い、フジロックの思い出などを語り、いよいよライブが幕を開けた。世代を超えて実力者たちが集まったバンド、そして女性コーラスを率いながら、UAは次々と歌を披露していく。「情熱」や「甘い運命」といった名曲から最新EP「Are U Romantic?」収録の「微熱」まで網羅した全7曲。さらにはアンコールでは「ミルクティー」も披露された。UAの圧倒的な歌声とパフォーマンスに呼応するようにフロアから歓声が上がり、誰もが音に身を委ね踊っている。人との距離を気にすることなく、その場にいるミュージシャン、オーディエンスが自由に音楽を楽しんでいるその光景は、とても幸福感に満ちていた。そしてパンデミックを経た今、あらためてそれがかけがえのないものだということを感じずにはいられなかった。

ライブが終了し、再びステージに登場したジョージが言う。「UAもフジロックに出ます。KEENも行きます。苗場の大自然の中でまたみんなで会いましょう!」。夏フェスシーズンの幕開けに相応しい特別なものとなったこのライブの様子は「Festival TV」で7月上旬に配信される予定なので、ぜひチェックしてほしい。
 

INTERVIEW
ジョージ・ウィリアムズ

コロナ禍の3年間、KEENと共に「Festival TV」を発信し続けてきたジョージ・ウィリアムズが今抱いている思い

青空の下で共に歌おう

UAが出演した「Festival TV Live!」のMCを務めたジョージ・ウィリアムズは長年ラジオやテレビを通して様々な音楽を世の中に紹介し続けてきた。そんな彼が2020年4月にKEENと共に立ち上げたのが「Festival TV on KEENSTREAM」だ。

「コロナが世界中に蔓延し始め、ライブもできない厳しい状況になった時にKEENから『今は音楽好きのみんながライブに行けない状況だけれど、家などの安全な環境の中でスマホやパソコンの画面を通して音楽の素晴らしさを感じられるような映像コンテンツを一緒に作らないか』とお誘いいただきました。僕自身ずっと音楽を紹介してきた人間だから、すぐに『やろう』と返事をして番組が始まったんだけど、最初は本当に手探りでした。コロナがいつ収束するかわからないし、人との接触もできるだけ少なくしなければいけない。だから僕と数人のKEENのスタッフだけで機材をセッティングして、ミュージシャンやクリエイターを招いてトークやライブを行いました。世間は止まりかけているけど、とにかく俺たちは動こう、何かやろう。その気持ちだけで走り始めたんです」

結果的にコロナが収束し、以前と近い生活が戻るまでには約3年の時間を要した。その間、ジョージとKEENは毎週のように番組を配信し続け、これまでに150組以上のミュージシャンらがゲスト出演し、番組の本数は140本を超えた。

「たくさんのミュージシャンに出演してもらったけれど、みんな諦めていなかった。自分たちの作った音楽をライブという場で披露できない、お客さんたちのエネルギーを感じられないということは彼らにとっては大きな打撃だし、ライブ自体が彼らの生活にも直結している。だから当然落ち込んだミュージシャンの方々もいただろうけど、それでもどこかにこの状況を抜け出すための答えがあるはずだ、それを探し出すんだ、という強い精神力を僕は多くのミュージシャンから感じたし、そのことが僕の励みにもなりました。僕個人にとって『Festival TV』はこの3年間の日記のようなものかもしれない。コロナが猛威を振るい、緊急事態宣言が発令されて言いようのない不安に襲われたこともあるし、外出先や仕事場で何十リットルの消毒液を使ったかわからない。例えるなら、この3年間は常に雨が降っていて、僕らはずぶ濡れになりながらもなんとか歩んできた。そして今、完全にコロナが収束したわけではないけども状況は大きく変わった。生でライブが観られて、声を出すことができる。友達と飲みに行くこともできる。まさに人生を取り戻すことができた。遂に空が晴れて青空が広がった、そんな気持ちです」

そしてジョージは共に歩んできたKEENを大切な“仲間”だと言う。

「KEENの方々とはコロナ以前から様々なライブやフェスの現場で顔を合わせていた。シューズのクオリティはもちろん素晴らしいんだけど、彼らは自然災害が起きた時には災害支援団体パートナーと一緒に現場で災害支援をしたり、寄付を集めるといった社会貢献を続けてきた。そして僕と同様にとにかく音楽が大好きなブランド。企業を作るのは“人”だと思っているんだけど、KEENのみんなが僕は大好きなんです。だから一緒に『Festival TV』を作り続けることができたと思う」

声出しが解禁されて以降に開催されたUAが出演した「Festival TV Live!」は、ジョージにとって特別なものになった。そしてこれから始まるフェスシーズンに向けて、彼は大きな希望を抱いていると教えてくれた。

「ステージ上でオーディエンスの声を聞いて、心から感動しました。やっと互いに心を開いてコミュニケーションを取れたというのかな。それはミュージシャンもオーディエンスも同じ気持ちだと思う。そしてようやくかつてのような状況でフェスも開催されるけど、全国各地の会場でミュージシャンとオーディエンスのエネルギーのキャッチボールによって生まれるポジティブなエネルギーの循環がまた生まれることを期待しています。音楽は僕らの人生を豊かにしてくれる美しいものだと僕は思っている。そんな音楽を今年はみんなで心から楽しみたい。雨降りの暗闇を抜けてようやく見えた青空の下、みんなで大きな声で歌いたいですね」

ジョージ・ウィリアムズ
ジョージ・ウィリアムズ 1970年埼玉生まれ。DJ、VJ。80年代後半よりラジオやテレビといったメディアを通して国内外の様々な音楽を紹介。2021年からはSpotifyにて音楽&トークプログラム「Melting Pod」を配信中

 

HISTORY OF KEEN AND FRF

HISTORY OF KEEN AND Fuji Rock Festival
音楽と結びつくフットウェア

米国オレゴン州ポートランド発のアウトドア・フットウェアブランド「KEEN」を展開するキーン・ジャパン合同会社は、「自然と音楽の共生」をテーマとする持続可能な野外ロックフェスティバル FUJI ROCK FESTIVALのコンセプトに深く共感し、2015年より応援をスタート。FUJI ROCK FESTIVAL ‘23(以下、フジロック’23)のオフィシャルサポーターを務めている。

2015年、KEENはまずキッズランドへ出店。子供たちへのシューズレンタルとノベルティ配布を行った。翌2016年からはメインサポーターとして協賛エリアへの出店を開始し、会場内でもメインの導線となるGREEN STAGEエリア奥で大きく展開している。

まさに相思相愛関係のKEENとフジロックだが、長い歴史の中にはアクシデントもあった。2019年、開催2日目の豪雨によりKEENブースが浸水、ブース前のメイン導線が大きな池のようになってしまい通行止めになるという事態となった。続く2020年はコロナ禍により苗場での開催は中止。翌2021年に延期となったが、KEENの出店は中止となった。

そして2022年、3年ぶりにKEENがフジロックにカムバック。お馴染みのGREEN STAGE奥にKEENオフィシャルブース“KEEN POP UP STORE at FUJI ROCK FESTIVAL”を出店し、親子フジロッカーに好評な小学生を対象にしたキッズプログラムも実施した。この年はフジロック×KEENコラボレーションモデル第3弾を発売。また、YELLOW CLIFFエリアに、いつでもKEENが購入できる自動販売機“世界最小のシューズストア−The World’s Smallest Shoes Store of KEEN−”も登場し、話題を呼んだ。

2023年。今年もKEENはフジロックに出店。フジロック×KEENコラボレーションモデル第4弾も発売される。フジロックの会場に行ってみるとわかるが、多くのオーディエンスの足元がKEENに護られている。それには機能性や快適性はもちろんだが、「フジロックといえばKEEN」というイメージが定着しているという要素も大きく貢献しているに違いない。音楽と深く結びつくアウトドア・フットウェアブランドとして、KEENはその姿勢を今後も貫いていくだろう。

 

KEEN × FUJI ROCK FESTIVAL ‘23

KEEN × FUJI ROCK FESTIVAL ‘23
NEWPORT RETORO メンズは25〜29、30、31cm、ウィメンズは22.5〜26cmの展開。¥15,400。フジロックオフィシャルサイト、KEEN公式オンラインストア、KEEN直営店、および取扱店舗にて発売。
KEEN JAPAN Tel.03-6804-2715
コンセプトは“FRF会場にある色”

日本最大の野外ロックフェスティバルであるフジロック’23×KEENコラボレーション第4弾が発売中だ。

TOKYOHEMPCONNECTION*THCの関村求道がカラーディレクションを手掛けており、そのコンセプトはフジロック会場にある様々な“色”。苗場の空や自然の色、オーディエンスの人々が着用するカラフルな衣装など、多様なエレメントを詰め込み、それらを子供の持つ低い視線の世界で表現。ベースとなるモデルはKEENを代表する水陸両用サンダル「NEWPORT RETORO」。ウォーターサンダルでありながらトレイルシューズの機動性も併せ持つ。つま先をしっかり守る「トゥ・プロテクション」機能も備え、天候に左右される野外フェスのベスト・パートナーといえるだろう。