Pokémon in Your Scene|日常の景色と『Pokémon GO』

PHOTOGRAPHY: IWASAWA TAKAO

ポケモンが、自分たちの暮らす街中に出現する。そんな夢のような体験が味わえる『Pokémon GO』が2016年7月にローンチしてから、早5年が経過した。『Pokémon GO』をプレイしてからというもの、ただ街中を歩くだけで楽しかったり、前を通りすぎるだけで気がつかなかった場所の面白みに気づいたりと、『Pokémon GO』は日常の中に潜んでいた喜びの種を開花させていった。

写真家・岩澤高雄が写したのは、年越しを間近に控え多くの人がせわしく行き交うJR新宿駅の中央通路。そこには、5名の作家が『Pokémon GO』の世界を全天球パースで描き出したイラストが、壁面だけでなく天井にも展開されていた。日常の景色の中に突然現れた『Pokémon GO』の世界に、ふと足を止めてぐるりと周りを見渡す人も。『Pokémon GO』誕生以後の日々の風景について、岩澤に訊いた。

――まず、ポケモンとの出会いは?

中学生の頃に『ポケットモンスター 赤・緑』が出て、もうかなりやりこみましたね。ピカチュウを20匹くらい捕まえて、その中から一番強いのをピックアップして育てたり、それぞれのポケモンの強さをメモ用紙に書き出して攻略練ったり。

――どんなところが楽しかったですか?

みんなで遊べるというか、もはやコミュニケーションツールだったんですよね。Wi-Fiもない時代でしたし、ポケモンを交換するために友達の家に行ったり、普段はあまり一緒に遊ばないような人でも、広い家に住んでいたりケーブルを持っていたりすると「ポケモンやろうぜ」ってみんなでその子の家に集まったり。ポケモンを通してコミュニティが広がっていったというか。「あの人からあのポケモンもらったな」とか思い出したりします(笑)。

――2016年に『Pokémon GO』が出た時もすぐにプレイを?

自分にとってポケモンのゲームは、出たらまずプレイする存在。ましてや『Pokémon GO』はスマホで無料でできるというので、それはやらないワケがないです。それまでのポケモンで培った予備知識もあるから、「ジム」って言われると「ああ、アレね」とわかりましたし、ジムに行ってみると明らかに『Pokémon GO』やってるな、という人がいて、実際に会話したりはしないですけど『Pokémon GO』の中ではめちゃめちゃ盛り上がっている(笑)。今まではそんなに人が集まるような場所ではなかったところにもジムができると人が集まっていたり、自分の世界とポケモン世界との結びつきを感じさせてくれるゲームですよね。「あのステージ行こう」って移動してそこに集まったみんなで盛り上がって、時間が経ったら帰るという、少しフェスに近いノリがあって。

――なるほど。

『Pokémon GO』をプレイすると、普段目にしないところに目がいくようになりますよね。それまで気にも留めていなかったような場所にジムがあって、そこに行くようになってみると小さな新しい発見があったりする。その感覚は、写真を撮る感覚と似ているなと思っています。写真を撮るときって、そこまで全面にアンテナを張り巡らせているわけではないですが、でも何の変哲もない道端も綺麗に見えて撮ったりします。『Pokémon GO』にもその感覚と通ずるものを感じます。AR機能を立ち上げるとポケモンの足跡が出てきて、それをタップするとポケモンが出てきたりして、そこでAR写真を撮ったり。写真も『Pokémon GO』も、歩いていて単純にワクワクしますよね。

――リアルとバーチャルの交ざり具合が面白いですね。

そうですね。今や5年前から技術も進んでいろいろなチームが現実世界をより楽しくする仮想世界を作っていますけど、『Pokémon GO』はその走りじゃないかなと思ったりします。

――今日撮影していただいた新宿駅構内に掲出されたイラストには、地球全体を冒険の舞台に変えた『Pokémon GO』の世界観が込められています。

まさに、ですよね。『Pokémon GO』によって、どこでも遊び場になるんだということに気がつきました。あと、今回イラストを手掛けられたのって今かなり注目されているクリエイターたちじゃないですか。そんな方々が描いたポケモンのイラストが新宿の駅にあると、ワクワクするというか、嬉しい気持ちになります。もっと街中がこういうもので溢れてほしいですね。

岩澤高雄
写真家。1984年生まれ。2008年にイイノスタジオ入社後、2012年玉川竜に師事。2014年より独立。現在はThe VOICE MANAGEMENTに所属。雑誌や書籍、広告、CDジャケットなど幅広く活躍中



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5人の作家が描く『Pokémon GO』

『Pokémon GO』の5周年を記念し、5名の作家が『Pokémon GO』の世界を全天球パースの描き下ろしイラストで表現。新宿や池袋をはじめとした全国5駅7カ所で掲出されている。参加した作家は、アカサカハル、浅野いにお、SUSHIO、TAO、田中寛崇の5名。「360°Playground」をビジュアルコンセプトに描かれた各イラストの中心には地球を模した青い空が浮かび、360°全てが冒険の舞台である『Pokémon GO』のワクワク感を表現している。イラストが大きく掲出された場所に身を置くと、プレイ画面の中だけでなく地球上のどんな場所も冒険の舞台だ、そんな心地になってくる。2022年も、『Pokémon GO』で楽しく冒険を続けよう!
詳しくはこちら(『Pokémon GO』公式ブログ)

<掲出場所と期間>
新宿ウォール456プレミアム(JR新宿駅改札外東西自由通路):1月10日〜1月16日まで
東京メトロ池袋プレミアムセット(東京メトロ池袋駅地下1階):1月10日〜1月16日
池袋ラウンドワイドボード(東京メトロ池袋駅地下1階):1月10日〜1月16日
ポケモンセンターメガトウキョー(池袋サンシャインシティ専門店街アルパ1階):2月26日まで
※掲出終了場所
新宿スーパーラッピング(JR新宿駅改札内中央通路)
西鉄福岡(天神)駅プレミアムスクリーンTENJIN(西鉄福岡(天神)駅北口改札)
Osaka Metro 梅田プレミアムPlus(Osaka Metro 御堂筋線梅田駅上りホーム)
名古屋地下鉄 名古屋駅ビッグウォールAセット(名古屋市営地下鉄名古屋駅東山線ホーム)