NEW EXPERIENCE IN YOUR HANDS 須田卓馬

Xperia 5が可能にする新たなコンテンツ体験を表現者たちと共に紐解く短期連載。第2回は写真家・須田卓馬がXperia 5で藍染職人・野口汎とその工房の撮影に臨む

PHOTOGRAPHY: SUDA TAKUMA Xperia 5で撮影

TEXT: SWITCH

日常を作品として写すスマートフォン

 
その瞬間しか見えない表情を

—— 須田さんは、長年イランに住んでいるアフガン難民の少女を撮り続けていたり、俳優のポートレイトを撮影されていますが、写真を撮るということにおいて普段から大切にしていることは何ですか?

須田 その人の、その瞬間でしか撮ることのできない表情を、写したいと思って撮っています。

僕はもともと、旅をしてその旅先で出会った人を撮影する、というところから写真をスタートしました。アフガン難民の少女・ファラシュテを撮影したのもその流れです。彼女が7歳だった頃に出会って、もう彼女は今年で23歳になるので、かれこれ15年くらいに渡ってファラシュテに会いに定期的にイランまで通っています。

普段は仕事としてスタジオでライトを組んでポートレイト撮影をすることも多いのですが、人を撮るという点においては、そのスタンスに違いは無いと思っています。撮影していくうちに被写体の表情が変わってきたり、さっきまでは見せてくれなかった新しい表情を見せてくれるようになったり、そういう時はやっぱり、夢中でシャッターを押しちゃいますね。

相手が難民だから撮りたいとか、何をしている人だから、という理由ではなく、むしろもっとパーソナルな部分で、この人だから撮りたい、この人だから長く追い続けたい、という思いが、僕の写真を撮る時の動機になっていて。ポートレイトを撮っていつつ、どこかでそれを“ドキュメンタリー”の撮影だと思っているんですよね。

その日、その瞬間でしか見えてこないものを、大事に積み重ねていきたいなと思っています。今しか残せないものを残していきたいですね。

PHOTOGRAPHY: IKEDA HIROMI

—— 今日は、創業210年を超える藍染工房「野口染物店」の6代目として、今も藍染職人をされている野口汎さんを撮っていただきました。

須田 実は、以前にも野口さんの工房にはお邪魔したことがあって。その時の、工房への光の入り方であったり、野口さんの作品のきめ細かさであったりがすごく印象に残っていたんです。この工房の美しさや、野口さんが作業している時の真剣な眼差しを撮りたいと思って、今日は撮影に臨みました。あとは野口さんがとても素敵な方なので、やはり野口さんの人となりが感じられるような写真を、と思って。

妥協しない一枚をXperia 5で

—— 普段、カメラは何を使っていますか?

須田 いつもはソニーのα7R Ⅲを使っています。α7の初代から使っていて。ミラーレス一眼カメラでフルサイズのセンサーが搭載されているのって、当時かなり革新的だったんですよね。フットワーク軽く、かつ高画質な写真を撮れるということに魅力を感じていて、α7、α7R Ⅱ、α7R Ⅲとずっと使っています。やっぱり、初代からバージョンアップしていくにつれてフォーカスの精度がものすごく向上してきていますよね。

—— いまα7R Ⅲのフォーカスの精度についてのお話がありましたが、今日の撮影で使っていただいたXperia 5には、瞳AF機能が搭載されています。

須田 α7R Ⅲを使っていて感じるのは、やはり瞳AFの性能の良さなんです。だから今回それと同じ機能がスマホであるXperia 5に搭載されていると聞いて、果たしてどのくらいそれが働いてくれるのかなって、半信半疑な部分がありました。顔を認識する機能は他のスマホにもあると思うんですけど、Xperia 5は瞳を認識するのか、と。

—— 今日瞳AF機能を使ってみて、いかがでしたか?

須田 実際に使ってみると、予想以上に働いてくれていたので驚きました。被写体が動いても、その動作に合わせてずっと瞳AFが動き続けていて。顔の角度がちょっと変わった時にもすぐに反応してピンを瞳に合わせてくれていたので、ここまでちゃんと動いてくれるんだなあ、と。

特に工房の中は結構暗いので大変かなと思っていたのですが、そんな暗い中でもちゃんとフォーカスを合わせてくれていましたね。予想以上に、撮影していてストレスが無かったです。

ポートレイト写真を見る時って、大体の人が、まずは写っている人の目を見るんですよね。目から入って、そこから周辺の情報を徐々に得ていく。

写っている人の感情や人となりを、その人の目の表情から読み取るんです。だから、いかに被写体の目がちゃんと写っているのかということは、ポートレイト写真において非常に大切なことなんですよね。

PHOTOGRAPHY: IKEDA HIROMI

—— 今日はどのような設定で撮影したんですか?

須田 手ブレ補正がしっかり入っているので、シャッタースピードを1╱30秒くらいまで遅く設定して撮りました。Xperia 5は、シャッタースピードだったりISO感度だったりを細かいところまでマニュアルで設定できるので、自分のイメージした写真にかなり寄せた撮影ができましたね。

例えば、今日黒い布を背景にして野口さんのポートレイトを撮ったんですが、オートで普通に撮ると、背景が暗い分どうしても肌がオーバー気味に写ってしまうことが多いんです。でも今日は、そこをちゃんとアンダー気味に、肌の明るい部分を綺麗な明るさに、細かく設定して自分のイメージした通りに調整できました。

—— そうしたディテールが、作品にとって大事になってきますか?

須田 そうですね。明るさが微妙に違うだけで、写真の印象ってかなり変わってくるんです。だから、そういうところを細かくマニュアルで設定できるのは嬉しいです。

—— 布に糊付けをしたり、染付した後の布を洗ったり、各工程での野口さんの動作がとても早かったように感じました。それを追いかけて撮っていくのは大変ではなかったですか?

須田 そうですね。でも、Xperia 5は縦長のフォルムをしていて、写真を撮る時のホールド性が良いんですよね。安定感があって。だから、野口さんの動きに合わせて上から撮ってみたり、普通のカメラ以上にフットワーク軽く撮ることができました。

あとカメラの起動もかなり早いので、会話していて「今いいな」と思ったらその瞬間にすぐ撮れるんです。話しながら撮れるので、相手のリラックスした表情を写せますよね。

スマホで、ここまで高画質に、妥協しない写真を撮れる。普段写真を撮られ慣れていない人を撮る時とか、友達とリラックスしている時とか、あとはその土地土地の文化とかで、カメラでの撮影がしにくいシーンって結構多くあるんですよね。例えば、冒頭で話したように僕はイランにアフガン難民のファラシュテを撮りに行くことがよくあるのですが、イランはイスラム教の国なので写真を撮ることへの制限がすごく多くて、カメラを構えると目立ってしまって撮影しにくいんですよね。でもXperia 5であれば小型で目立たないので、撮影がしやすそうだなと思います。そういった、カメラでは撮影しにくいシーンにXperia 5はうってつけだと思います。

—— Xperia 5によって、写真の可能性はどう広がっていくと思いますか?

須田 何かの記念日とか、旅行に行ったとか、イベントで集まったとか、そういう時にカメラで写真を撮るという人がこれまでは多かったんじゃないかなと思います。でも写真って、実は何気ない日常が写っている一枚の方が、あとで見返した時に盛り上がったり嬉しくなったりするのかな、と思っていて。

Xperia 5はスマホなので、普段からほぼ肌身離さず持つものですよね。あと今ってみんなスマホで写真を撮ったり撮られたりし慣れているので、構えても相手が固くなりにくい。逃したくない日常のそのままの表情を、イメージ通りにしっかりと写すことができると思います。もはや“日常に溶け込んだカメラ”ですよね。これまでカメラでは写すことのできなかった表情を、このXperia 5では写していけると思っています。

Xperia 5
ソニーのフラッグシップスマートフォン「Xperia 1」の体験が本体幅約68mmのハンドフィットサイズに凝縮されて新登場。写真家のイメージをそのままに表現するべく、ソニーのデジタル一眼カメラαTMの技術を結集。有効画素数約1220万画素のイメージセンサーに、16mm(超広角)、26mm(標準)、52mm(望遠)のトリプルレンズ、そして光学式手ブレ補正や、瞳AFを搭載

須田卓馬
東京出身。ポートレイト撮影を中心に活躍するフォトグラファー。学生時代よりアジアの人々に魅せられ、多くの国々を訪ねては、その旅先で出会った人々の表情を写真に収めてきた。大学卒業後は自身のライフワークとして、15年間に渡ってイランに住むアフガン難民の女性・ファラシュテの成長を撮影している。https://takuphoto.net

PASSIONS
第一線で活躍するクリエイターとソニーの、創造への“情熱”が詰まったXperiaスペシャルサイト「PASSIONS」公開中。須田卓馬がXperia 5で撮った作品も特別掲載!
www.sonymobile.co.jp/special/passions

*こちらの記事は『SWITCH Vol.38 No.1 特集 佐内正史 無限の写真家』でもお楽しみ頂けます。