川内倫子新作写真集『as it is』——出産から約3年間の日々の子どもの姿や身近な風景を紡ぐ

小誌『SWITCH』で「橙が実るまで」(文・田尻久子)が好評連載中の写真家・川内倫子による写真集『as it is』が刊行された。
 

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Photography:Kawauchi Rinko

 

『as it is』は、川内が出産から約3年間の日々の中で出会った子どもの姿や、身近な風景を撮りためて構成した新作写真集。第27回木村伊兵衛写真賞受賞の対象作のひとつで初の写真集『うたたね』(2001年)の発表以降、日常と世界との連なりを表現した『あめつち』(2013)、遠い宇宙を連想させる人々の営みや自然の姿をとらえた『Halo』(2017年)など、日常の出来事から次第に外の世界へとまなざしを広げてきた川内。今回刊行となった『as it is』は、自身の子どもや家族とともに日常の風景を見つめ直し、ささやかなひとときを記録した、自身の原点へと立ち返る内容となっている。

子どもという生命力に溢れる存在の普遍性。四季の移り変わりを通じて出会う自然と光の美しさや、暮らしの中で見つける小さな生き物。幼子が初めて体験する死という出来事。ささやかな物事が浮き彫りにする生命の美しさ、その日々の積み重ねていくことの尊さを、一つの家族の物語を通して伝えている。

何気ない日常の暮らしが大きく変化し、これまで当たり前のように身近にあった風景が異なる意味をもつ現在だからこそ、私たちがかけがえのないひとときの積み重ねの中で生きていることを改めて気付かせてくれる。また10月中旬には出産と育児の記録を綴ったエッセイ集『そんなふう』も刊行される予定だ。合わせてぜひお手にとってみてはいかがだろうか。

川内倫子(Rinko Kawauchi)
1972年、滋賀県生まれ。写真家。2002年、『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2009年に第25回ICPインフィニティ・アワード芸術部門を受賞するなど、国際的にも高い評価を受け、国内外で数多くの展覧会を行う。主な個展に、2005年「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears,」 カルティエ現代美術財団(パリ)、2012年「照度 あめつち 影を見る」東京都写真美術館、2016年「川が私を受け入れてくれた」熊本市現代美術館などがある。著作は写真絵本『はじまりのひ』(2018年)、作品集『Halo』(2017年)など多数。
 

書籍情報

川内倫子写真集『as it is』

デザイン:若林亜希子
仕様:230 x 180mm/ソフトカバー(フランス装)/144P+テキスト差し込み18P
言語:日本語
定価:3,000円+税
ISBN 978-4-907562-24-3 C0072
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