SWITCH Vol.34 No.5 マツコ・デラックス

SWITCH Vol.34 No.5はマツコ・デラックスを特集しました。
雑誌のこと、テレビのこと、東京で暮らす人のこと、そして今の自分の立場について……
マツコ・デラックスとの計7時間におよぶ会話を基にしたドキュメンタリーの一部をご紹介します。


PART3
雑誌に明日はない

 今、メディアは創造性が欠落していると思う。世界の都市で格好良いとされてる街、最先端のところって絶対に汚い方にあるのよ。

たとえばロンドンだったらチャイナタウンだったり、今は再開発されたイーストエンドだったり。ニューヨークもそう。安くて若者が集まるところに新しい文化が生まれる。

それがいつしかキレイな街になってしまって、新しい人はその大衆的になってしまった、東京でいうところの原宿、代官山、恵比寿あたりを嫌って、また動く。その担い手は枯渇してる若者たちだと思うのよ。

たとえば蔵前だとか、森下あたりを拠点にしている若いアーティストがいるけれど、可能性がどこまであるか。

そこからムーブメントが生まれて、ロンドンのチャイナタウンのような面白いお店ができるかというと、まだ見えない。いまだに日本は手垢まみれの原宿、代官山が最先端。

「SWITCH」が、これが格好良いんだよって言ってあげるべきものがズレてるんだと思うのよ。港区だったり渋谷区にある小綺麗なものをこれがオシャレなんです、最先端なんですって言って紹介することって実は全然オシャレじゃなくて、蔵前にある路地裏のすごいアーティスティックなお店だったりっていうのがもうできてるわけだから、それこそが最先端なんだと。

全く新しい場所――蔵前なんて言ったら国技館なんだからね、あたしたちの時代からすればさ。でも実はそこに本当の新しいムーブメントが芽生え始めてる。それをみんなでバックアップしてあげることこそが、最先端だと思うのよ。

それをしてないのよ、最早「SWITCH」は。「SWITCH」だけじゃなくて他の最先端と言われるメディアがそういうところをちゃんと応援してあげることこそがオシャレなんだと思うよ、あたし。

たとえば中目黒のオシャレカフェなんてもうワイドショーでもやってるんだからさ、下手したら田舎のおばあちゃんだって知ってるわよ。

 テレビはやっぱりマスなんです。最先端ではないわけよ。より多くの人に見てもらうように作られてるものだから。最先端を紹介することにこそ雑誌の意義がある。

本当にやらなきゃいけないのは、本当にオシャレですよって自分で思ってる人たちが、テレビや週刊誌なんかでは話題にしないような「こんなところが今は最先端!?」という鮮やかな切り口。

それをしないからいつまで経っても、渋谷区、港区あたりでぐるぐるしてるわけよ。多分メディアは、悔しいけど欧米の方がよりエキセントリックだったりする。

雑誌はこぞって本当に新しいのはこっちだって取り上げながら競争している。そこを盛り上げることで、本当に新しいものに触れていたいって人がそこに住みたがり、そこで商売をするという構図ができている。

そういう流れはいまだ日本では作られていない。



この記事が気に入ったら


※ 掲載内容は 本誌 からの抜粋です


次回更新の情報はFacebook、Twitterでチェック!

公式Facebook 公式Twitter

SWITCH
MAY.2016 VOL.34 NO.5
特集:マツコ・デラックス
本誌はこちら

SWITCH STORE
© Switch Publishing Co., Ltd. All Rights Reserved.
ページトップへ