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CULTURE

Posted on 2011/02/03Retweet

Choice:
テイ・トウワとINO hidefumiによる
Yellow Magic Orchestraの6曲

いよいよiTunesでもYellow Magic Orchestraのカタログが解禁に。
YMOをリスペクトする2人のクリエイターが、それぞれ3曲ずつお気に入りを選ぶガイド。

テイ・トウワ
1964年生まれ。昨年12月に立ち上げた電子セレクトショップMACHから、コンテンツやメディアに囚われないさまざまなクリエイションを配信中。
INO hidefumi
1970年生まれ。最新作はライブアルバム『KALEIDOSCOPIC』。また、テイ・トウワ主宰の配信レーベルMACHより、2曲組EP「LIGHT/FIRE CRACKER」リリース。
INO hidefumi公式HP
photography:Ohki Daisuke
  • No.1→No.3

    1. SIMOON
    アルバム『Yellow Magic Orchestra』(1978)収録/INO hidefumi選


    INO hidefumi(以下IH) これは細野さんの曲ですね。この曲があればご飯3杯いける(笑)、というくらい好きな曲です。KORGのPS-3100がメロディだと思うんですけど、異国情緒あふれる曲で、これぞ細野さんという大人な感じの曲ですね。シーケンサーでリズムを意図的にちょっとズラしてるんですけど、そのハネた感じも細野さんらしいですよね。

    テイ・トウワ(以下TT) 「シムーン」は、ぼくも最初に聴いた時から気になっていた曲ですけど、その後DJをするようになって、いろんなディスコのバリエーションを聴いていくなかで、Dr. Buzzard's Original Savannah Bandとか、キッド・クレオール&ザ・ココナッツとか、そういうジャズディスコ的なものにも近い曲だと気づいて。細野さんがサバンナ・バンドが好きだったということも後で知って、また違う視点から好きになった曲です。いま思い出したんだけど、ぼくが94年に最初のソロアルバム(『Future Listening!』)を出した時に、「シムーン」と「テクノポリス」をカバーしたんですよ。

    IH それ聴いてみたいですね。

    TT 「シムーン」は全然無理で、まったく何も超えられなかった。「テクノポリス」はボサノバにして、坂本さんが弾いたテイクが家のどこかにあるはずですよ。自分で取り上げておいて、勝手にボツにしちゃった(笑)。またいつか挑戦してみたいですけど。

    IH 実はぼくも「シムーン」をカバーしたことあるんですが、やっぱり超えられなかったです(笑)。

    TT 違う次元にしないとね。同じ次元で原曲よりつまらないと意味がない。

    2. RYDEEN
    アルバム『Solid State Survivor』(1979)収録/INO hidefumi選


    IH ぼくは親にはじめて買ってもらったレコードが、「ライディーン」と「コズミック・サーフィン」がA面B面で入っている7インチなんですよ。小学校3、4年の時だったと思うんですけど、母親に連れられていったデパートでYMOフェアみたいなものをやっていて、そこでジャケ買いしたんですよ。獅子舞みたいなジャケットで、子供心に強烈でした。家に帰ってレコードに針を落としてみると、「ああ、運動会の時にかかる曲だ」ということで(笑)、親子で興奮してましたね。そういう意味でも思い入れの深い曲です。

    TT ぼくが最初にYMOを見たのは、中2の終わりか中3の始め頃に、すでにセカンドが出たばっかりの頃です。町田駅前のレコード屋の店頭で、人民服を着たライブの映像が流れてて、それが「ライディーン」でした。気になって早速翌日レコード買ってきて、3回ぐらい通して聴いたんですけど、「なんか町田で聴いたのより速いな」と思ってて、気づいたら45回転だった(笑)。それまでは、ドーナツ盤ぐらいしか買ったことなかったほど音楽音痴だったんですよね。でも、『ソリッド・ステイト・サバイバー』に出逢って、それからはアルファの社員以上に普及活動に励みました。

    3. NICE AGE
    アルバム『増殖』(1980)収録/テイ・トウワ選


    TT 初期の「優れたミュージシャン達がコンピュータで曲を作る」というわかりやすいテクノポップから、ニューウェイブ的なところに変わっていく過渡期の感じが、今となっては好きなんですけど。『増殖』ってスネークマンショーだったでしょ? お笑いとニューウェイブみたいな組み合わせとか、アルバムジャケットも含めて好きでしたね。日本語のニュース速報みたいなナレーションが突然出てくるんだけど、「ポール・マッカートニーが来日してマリファナで税関に捕まった時に、拘置所内での番号が22番だった」とか、そういう話も後で聞いて、そういうコンセプチュアルな感じも面白かったですね。DJやる時にたまにいきなりロックかけたりする時があって、そういう流れでかけたりします。

    IH 今回の写真集に、『増殖』のジャケットが作られるプロセスが載ってましたけど、あれはたまらないですよね。

    TT あの人形欲しいよね。あと、この曲はサビを元サディスティック・ミカ・バンドの福井ミカさんが歌っていて、当時の感覚だと「サビがメンバーじゃないんだ!」というフィーチャリング感も面白かったですね。

  • No.4→No.6

    4.BALLET
    アルバム『BGM』(1981)収録/テイ・トウワ選


    TT 『BGM』って、当時「あれ? これってテクノポップ?」というくらい違和感を覚えたんです。「売れちゃったし好きなことやろう」という感じもあったと思いますけど。地味だし暗いしね。幸宏さんの歌声が入るものの、それ以前と同じバンドとは思えないです。音の質感もくぐもっているというか、思わずレコード針点検しちゃったものね。「針替えなきゃ」って(笑)。

    IH ぼくも針掃除しましたね。スプレーして(笑)。

    TT 細野さんはわざとやったんですよね。デジタルの音がピンと来なくて、フィルター加工してそういう音質にしたという。

    5.PURE JAM
    アルバム『TECHNODELIC』(1981)収録/テイ・トウワ選


    TT 『テクノデリック』はサンプリングが多用されているということですよね。幸宏さんが灯油の一斗缶をスネアのかわりに叩いている写真があったり、同じ2連のフィルインの、2発目だけリバーブかけたり、そういう音響処理のストイックさ。インダストリアルでアートな感じですよね。この頃になると自分でもKORGのDSS-1を買って、ホールドという機能なんですけど、実際はサンプリングができたんで、煎餅の缶を叩いたりしてました(笑)。その頃のものをデモテープにして、坂本さんのラジオ番組に送りつけたんです。

    IH ぼくはストーブ叩いてました(笑)。結構いい音出るんですよ。一斗缶も真似してやりましたけど。

    TT いろんなモノの音が音楽になってしまうんだということで、写真を撮るような感覚でしたね。

    6.PERSPECTIVE
    アルバム『SERVICE』(1983)収録/INO hidefumi選


    IH これは坂本さんの曲ですね。いちばん最後のスタジオ録音のなかの一曲だそうですけど、歌詞がすごくシンプルかつ深くて、哲学的な感じが好きですね。最近こっそりボーカル入りでカバー制作中なんですよ。「こういう曲が書けたらいいな」と思いますね。イントロにしてもそうですけど、単純ではないけど美しい曲というか。

    TT この頃の教授だと、この曲とか「ONGAKU」とか、あとソロの『音楽図鑑』に入っていた一連の曲もそうですけど、ボイシングやコードチェンジがすごくきれいなピアノが印象的ですね。あとは、『BGM』以降のプロフェット5の使い倒し感。

    IH プロフェットとかアープ・オデッセイとか、何しろ高いんですよ(笑)。買うのにものすごい勇気が要りますね。やっぱり当時YMOって、ビンテージシンセがあれだけステージの上に並ぶというビジュアルでまずヤラれましたね。それで音を聴いてさらに持っていかれる。フュージョンとも違うし、得体の知れない存在でしたね。

Yellow Magic Orchestra on iTunes

Tags: Choice Music Review